「ダーウィンの悪夢」を観た。

fum_k92006-12-25

監督:フーベルト・ザウパー Hubert Sauper
あらすじ(ネタバレ注意!)・・・
豊かな生態系を有し、「ダーウィンの箱庭」と呼ばれたアフリカのビクトリア湖。そのビクトリア湖で獲れる肉食の淡水魚ナイルパーチをめぐるドキュメンタリー。

ナイルパーチは元々ビクトリア湖に存在しない種であった。が、1960年代に誰かが放った(諸説あり)わずかな数のナイルパーチは瞬く間に200を超える在来種を食べ尽くし、湖の生態系の頂点に立つことになる。現在、周辺の住民はそのナイルパーチを切身に加工し、ヨーロッパへ輸出することで生計を立てている。
生態系の激変とともに水産業が急激に発展する一方、ナイルパーチというたった1種の魚に依存する住民たちの悲惨な生活は猖獗を極める。漁師たちは湖を跋扈するワニに体を喰いちぎられ簡単に命を落とす。未亡人となった妻たちは娼婦となり、HIVが蔓延。親を失った子供たちは明日をも知れぬストリートチルドレンとなる。中には恐怖を忘れるため粗悪な麻薬(ナイルパーチの包装材から造られる!)に酩酊し、眠り込んだまま還らぬ子供もいる。ここを支配するのはまさに強者が弱者を喰う「ジャングルの掟」。
そして終盤に明かされる救いのない事実。ナイルパーチをヨーロッパへ運ぶロシア製おんぼろ輸送機が往路に運んでくるのは、ルワンダコソボリベリアスーダンを始めとしたアフリカ諸国の内戦向け武器、なのである。

つまり、一歩引いて見れば、ヨーロッパ人(強者)がアフリカ人(弱者)を喰う構図。まさにダーウィン(進化論→生存競争)の「悪夢」。(←この一文は私の解釈です。)

感想・・・
さすが元祖帝国主義ヨーロッパのやる嵌め込みはレベルが違いますなぁ。そこにはヒューマニズムの欠片もない。
食料を安く買い叩く一方で高価な武器を売る。そしてその血みどろの内戦の原因も旧宗主国の支配構造がもたらしたもの(これだけじゃないでしょうが)。
ん〜完璧な嵌め込み。完璧すぎてぐぅの音も出ません。や〜、日本なんてまだまだ甘ちゃんだね。ヤるんならここまでヤらなくっちゃ☆

え?何?ホワイトカラー・エグゼンプション?何スかそれ?
「ホワイトカラーの労働時間規制適用免除制度。→サービス残業を合法化し残業代をカット。同時に過労死に対しても企業が責任を負わずに済むようになる。早ければ2008年度にも立法し施行される可能性あり。」
な、なんだってーーー!!!なるほど、日本は自国民内で嵌め込んでいるわけデスネ。嗚呼美しき哉、我がニッポン。